炎症性皮疹を主体とするざ瘡に対して、臨床写真による分類と、炎症性皮疹すなわち丘疹と膿疱の数の和による分類を用いています。炎症性皮疹が顔の半分で5 個以下は軽症、20 個以下は中等症、50 個以下は重症、51個以上は最重症としています。
面皰は、毛穴の閉塞と皮脂分泌が多量になり、皮脂が毛穴の中に溜まることでできます。そのため、毛穴の閉塞を除去する薬剤が用いられます。
紅色丘疹・膿疱は、毛穴の中で増加したアクネ菌が炎症を起こす物質をつくることでできます。そのため、アクネ菌の増殖を抑える薬剤や、炎症を抑える薬剤が用いられます。ニキビ痕を残さないために、ニキビを早めにきちんと治療することが重要です。
✔外用 抗生剤、アダパレン(ディフェリン®)、過酸化ベンゾイル(ベピオ®、デュアック®)、アダパレン+過酸化ベンゾイル(エピデュオ®)
✔内服 抗生剤
眼に見えない微小面皰や面皰を抑えることにより、紅色丘疹や膿疱をできにくくすることができます。面皰の新生を抑えるために薬剤が用いられます。
✔外用 アダパレン(ディフェリン®)、過酸化ベンゾイル(ベピオ®)、アダパレン+過酸化ベンゾイル(エピデュオ®)
✔漢方薬 ✔ビタミン剤
洗顔は、朝晩1日2回が基本です。朝は眠っている間にたまった余分な皮脂を落とし、夜はメイク落としの後に、汗やほこりなどの汚れを落とすために洗顔をします。1日に何度も洗顔する、ゴシゴシ洗うなどの間違った洗顔法は、かえってニキビを悪化させます。適切な洗顔法を身に付けましょう。
※洗顔時にニキビをつぶさないように気をつけましょう。
洗顔後は、特に水分が蒸発して乾燥します。化粧水を手のひらにとり、顔をやさしく押さえるようにして水分を肌になじませます。
化粧水の後に、保湿効果の高いノンコメドジェニックテスト済※の美容液や乳液、保湿薬を使用しましょう。
※コメドと呼ばれる皮脂で毛穴が詰まった状態であるニキビの初期症状が一定の基準で現れるかをテストされた製品
ケミカルピーリングを受けている方やピーリング効果のある化粧水を使用している方は、日焼け止め(サンスクリーン剤)を必ず使いましょう。また、スキンケアの基本として、日頃から紫外線に対するケアをしておきましょう。
日焼け止めには、「紫外線吸収剤」や「紫外線散乱剤」が配合されています。紫外線吸収剤を含むものに刺激感がある場合は、刺激の少ない散乱剤のみが配合された、下記のような記載のあるものを選びましょう。
✔紫外線吸収剤フリー(無配合) ✔ノンケミカル ✔敏感肌用 など
ニキビがあっても、メイク禁止というわけではありません。以下のポイントに気を付けて、ニキビを悪化させないメイクをしましょう。
※スキンケアにはニキビ肌用の製品(ノンコメドジェニック)を使用しましょう。
下地(コントロールベース)を使うことで、視覚的な効果によってニキビが目立たなくなります。肌の赤みが目立つときはイエロー系を、くすみやすい、肌の疲れが出やすい、血行不良などは、ピンク系をオススメします。
スポンジやパフなどのメイク道具は清潔に保ちましょう。ファンデーションはお肌が動かないくらいの軽いタッチで、すべらせるように塗るとよいでしょう。
アイメイクや口紅などには、表情や顔立ちを強調する効果があるので、ニキビから人の視線をそらすことができます。チークを入れるときは、お肌への刺激を減らすために、ブラシは立てずに寝かせて使いましょう。髪型を工夫したり、ピアスなどのアクセサリーも、ニキビへの視線をそらす効果があります。
ニキビの黄色い部分を避けて、赤い部分には薬指の先でやさしく置くようにつけます。爪が長い場合は、綿棒を使ってこすらずつけるようにしましょう。
メイクによる毛穴の閉塞はニキビの悪化の原因になります。帰宅後は、すぐにメイクを落としましょう。 メイク落としには、洗い流すオイルタイプのクレンジングを使いましょう。力を加えずに指を軽く滑らせ、円を描くようにして、クレンジングとメイクをなじませます。その後、やさしく洗い流しましょう。
特定の食品がニキビを改善または悪化させるという根拠はありません。
1日3食の規則正しい食生活を心がけ、間食は避けましょう。バランスのよい食事をしましょう。
自宅にいる間は、額やあごに頭髪がふれないように、ヘアピンやヘアバンドで前髪を上げ、髪をまとめましょう。
衣服は、できるだけ肌触りがよく、あごにふれないものを選びましょう。
睡眠不足は体調不良の原因になり、ニキビの悪化につながりますので、十分な睡眠をとりましょう。
ストレスや疲れをためないよう、趣味(音楽・映画鑑賞など)や適度な運動、自分なりのリラックス法でストレスの少ない生活を送りましょう。