肝斑は思春期以降の女性に好発する境界不明瞭な褐色斑で自覚症状は伴いません。
皮疹は顔の頬骨部・前額部・口周囲を特徴的な部位として、左右対称に認められます。
発症因子や悪化因子は遺伝的素因、妊娠、経口避妊薬、内分泌異常、ホルモン治療、紫外線暴露、さらに光毒性含有の化粧品、薬品などが挙げられています。
◎ 16歳以上に発症する後天性の顔面色素斑で、頬骨部・前額部・口周囲などに現れる。左右対称の場合が多いが、若干の左右差を示すこともある。
◎ 褐色でびまん性の色素斑、場合により網目状を呈す。
境界不鮮明だが、特定の部位にはっきりした境界様のラインが出ることがある。
〇 症状に経時的変動がある。(夏季に悪化など)
〇 女性に多い。
〇 外傷などの誘因がないことが基本だが、外傷性の色素沈着が肝斑に移行していく場合がある。
〇 生えぎわ、眉毛などの有毛部を避ける。
〇 80歳以降、化粧をやめると軽快する例が多い。
◎ 以下の疾患を除外すること。
・ADM(後天性真皮メラノーシス)
・炎症後色素沈着
・扁平母斑
(◎は必須条件、〇は重要参考条件)
1.トラネキサム酸内服
トラネキサム酸内服は肝斑に有効であり、副作用もありません。
効果は通常2ヶ月で現れます。
投与中止後に、肝斑の症状が再燃するケースもありますが、投与を再開すると再度効果が現れます。
2.その他の内服薬
ビタミンC・Eは軽度改善以上が69%という報告があります。市販のサプリメントと同じように内服していただけるため、副作用はありません。
4.美白剤外用
シミのもとになるメラニンはメラノサイトという細胞で作られます。
ハイドロキノンは、メラニンが作られるのを抑えます。また、メラノサイトの活性を弱めます。
トレチノインはターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)を促進し、角質に溜まったメラニンの排出を促します。